雨漏りから屋根を守る、タスペーサーとは
投稿日:2019.2.13 更新日:2023.11.28

屋根塗装には「縁切り(えんぎり)」や「タスペーサー」という用語があります。
これは屋根塗装を行う上で絶対に知っておいていただきたい用語ですので、これから屋根塗装をされる方は、工事を始める前に「縁切り(えんぎり)」や「タスペーサー」のことを知っておきましょう!
詳しくは後述しますが、「縁切り(えんぎり)」や「タスペーサー」のことを簡単に説明しますとこのようになります。
縁切り:屋根材の重なりに隙間を設ける作業
タスペーサー:縁切りを行うための道具
そしてこれが最も重要なこと。
縁切りやタスペーサーは、屋根塗装を行う上で雨漏りを防ぐ大事な工程というこです。
※ただし、すべての屋根に縁切りが必要というわけではありません。大和工業は工事を行う際に、縁切りが必要な屋根か事前に細かく診断いたします。
目次
【縁切りはスレート屋根やスレート瓦の屋根の塗替え時に必要な作業(商品名だとカラーベストやコロニアル)】
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屋根材は隙間なく張られているように見えますが、実際はただ重ねているだけで(釘で固定されているのは屋根材の上部両端の2箇所だけです)、隙間があります。
「隙間があると雨が入ってしまうのでは?」と心配されるかもしれませんが、屋根材の下にはルーフィングという防水シートが敷かれており、雨が入り込んでも内部に染み込むことはありません。
また、屋根を完全に密閉することはできませんから、屋根材の下に雨が流れ込むのは構造上問題ありません。
それに屋根材の重なりにある隙間は、内部に入り込んだ雨水や湿気を外に逃がす役割を担っておりますので、必要な隙間なのです。
さらにこの隙間は結露防止にも一役買っています。
結露が発生した場合、もし密閉されている状態だとルーフィングや野地板などが水気に触れつづけて劣化を早めることになり、最悪は雨漏りを起こしてしまいます。
【縁切りを行う目的と縁切りを簡単にするタスペーサー】
【屋根塗装で必要な隙間がなくなってしまう】
さて、先程の屋根材の重なりにある隙間がどんな役割を担っているか分かれば、どうして縁切りが必要なのかが分かりますよね?
屋根を塗装すると塗膜でこの隙間が塞がれてしまいます。
隙間を塞ぐと言っても完全に密閉されるわけではありませんから、雨は屋根材の下へと流れていきます。
中に入り込んだ雨はどうなるかというと、塗膜で塞がれてしまって簡単に外に抜けきれなくなります。
つまり屋根材の重なりにある隙間の役目が果たされなくなり、水気が内部にとどまってルーフィングや野地板など屋根そのものが傷んでしまうのです。
この状態がある程度の期間続くと、今度は雨漏りを起こしてしまうので大変に危険な状態なのです。
【そこで行われる作業、屋根と屋根の間に隙間を作る「縁切り」】
屋根を塗装すると隙間を塗膜が塞いでしまい、最悪は雨漏りを起こしてしまう。
これでは大問題です。
そこで雨漏りを防ぐ対策となるのが「縁切り」です。
「縁切り」は、塗装後にカッターや皮スキなどの道具を使って塗膜を切り込み隙間を設ける作業のことです。
縁切りを行うことで中に入り込んだ雨を外に逃がし、通気がとれて湿気がこもらなくなります。
縁切りすることで雨漏りを防ぐことができますが、いくつかデメリットもあります。
1つ目は、塗装後に縁切りするため、せっかく仕上がった屋根を傷つけてしまう恐れがあることです。
そして2つ目は、塗膜で熱で伸縮を繰り返すため、縁切り後も塗膜がくっついてしまうことがあることと人の手で行われるため、精度が安定しないことです。
【縁切りを簡単に「タスペーサー」】
今でも手作業で縁切りを行うことがありますが、現在では「タスペーサー」を使用するのが一般的になりました。
「タスペーサー」は前述した縁切りのデメリットを解消できるとても便利な道具です。
タスペーサーはこのような部材でして、屋根材の重なりのところに差し込んで使います。
タスペーサーを差し込むと屋根材が持ち上がり、隙間を設けることができます。
タスペーサーのメリットはこちらの3つです。
①美観を保つ
②工期短縮
③価格が安い
それではこちらのメリットについてご説明いたします。
①美観を保つ
従来の縁切りは屋根材を傷つけてしまうのがネックでした。
それがタスペーサーなら下塗りの段階で設置することができ、塗装後の屋根に手を加える必要がありません。
タスペーサーと従来の縁切りの工程を見比べてみましょう。
【タスペーサーの工程】
1.下地調整→2.下塗り→3.タスペーサー挿入→4.中塗り→5.上塗り
【縁切りの工程】
1.下地調整→2.下塗り→3.中塗り→4.上塗り→5.縁切り
このように塗装後に作業するか、しないかは、塗装の仕上がりに非常に大きな影響を与えます。
無論、塗装が仕上がった後になにも手をつけないほうが見栄え美しく仕上げることができます。
②工期短縮
従来の縁切り方法は、職人2人で行っても作業時間は約1日かかってしまいます。
その点、タスペーサーは屋根材に差し込むだけで縁切りを行えますので、工期短縮に繋がります。
タスペーサーなら職人1人でも約2時間程度で完了します。
③価格が安い
タスペーサーのメリットは「価格が安い」ということもあります。
従来の縁切りは、1日分の人件費が掛かり、費用が5〜6万円掛かります。
タスペーサーは、単価が20円〜50円/個程度でして、20〜30坪くらいのお家なら700〜2000個ほど必要なので、費用は1.5〜5万円程度で納まります。
縁切りやタスペーサーについてもっと知りたいという方はこちらの「スレート屋根と塗装の際の縁切り・タスペーサーとは」をご覧ください。
【最後に】
塗装を汚すことなく、工期の短縮も人件費の削減もできるタスペーサー。
ここまで読んで、「雨漏りから家を守ってくれるし、設置したい!」って思われた方もいらっしゃると思います。
しかし、タスペーサーが不要な屋根、タスペーサーが取り付けられない屋根というものも存在します。
大和工業では、お住まいの屋根をしっかりと調べさせていただいた上で、縁切りが必要な屋根であれば、タスペーサーでの縁切りをご提案させていただいています。
屋根の状態に少しでも不安な点があれば、お気軽にお問い合わせくださいね。
大和工業の無料診断は屋根・外壁問わずお住まい全体をチェックいたします!
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